午前十時の映画祭

今週は『ウェスト・サイド物語』。平日の午前中だというのに、すでに満席に近い状態。真ん中の席で観るには前から3列目の席しか残ってなかったので首がこった。けれど、やっぱりフルスクリーンで観るのはいい。この作品を映画館で観られるなんて絶対にありえないって思ってた。こういう企画はまことに嬉しい。

小さい頃から気になってたこの映画。リアルタイムで観た祖父に尋ねたら「アメリカのチンピラ同士の喧嘩だった」という身もフタもない感想を述べられたので、幼心に日本の任侠モノのような「コワイ映画」というイメージを植え付けられた。でも大学の図書館でビデオを借りて、初めて見たときの興奮といったら! 見ていて、異なる人種とはいえ人間同士、仲良くなれないものかなぁ…と切ない気持ちになるけれど、振り付けや音楽のかっこよさには憧れのため息をついてしまう。

いろいろ調べてみると、マリアとトニー等の主役級の歌は実はほとんど吹き替えだったとか(マリアに至ってはセリフの一部も)、オーケストレーションバーンスタインではなく別の人たちだったとか、あららー、と思うところはあるものの、やっぱりいい作品だと思う。

そうそう!ベルナルド役(シャーク団のボス)のジョージ・チャキリスさんは、『ウェスト・サイド物語』の曲を採用したフィギュアスケート鈴木明子選手に、オリンピック前に感謝の手紙を送ったそうだ。これは励みになっただろうなぁ。ちなみに彼は、この「午前十時の映画祭」の特別親善大使。映画館の特設コーナーで流れているPVにも登場していて嬉しかった。役ではプエルトリコ系だが、実際はギリシャ系の方だとはじめて知った。現在のベルナルドは若干老けたものの、かなり渋くてかっこいい。

来週は『雨に唄えば』が上映される。今からとても楽しみだ。